工程管理とは|目的・手法・効率化のポイントを実例で解説

工程管理とは|目的・手法・効率化のポイントを実例で解説
小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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工程管理とは、品質・コスト・納期(QCD)を最適化し、計画通りに生産や施工を完遂する管理業務です。製造業の8割超が紙やExcelに頼り属人化に悩む今、適切な工程管理が企業競争力を左右します。

多くの企業がツールは入れたものの「使いこなせていない」状態にあり、その代表的な領域が工程管理です。

本記事では、工程管理の定義・目的・手法・効率化のステップを実例とあわせて解説します。建設業・製造業・士業・自治体まで業種を問わず使える視点で整理しました。

「工程管理を見直したいが、何から始めればいいか分からない」方へ。ペパコミ株式会社では、kintoneによる工程管理の構築から運用、内製化まで300社以上の支援実績があります。サイボウズ公式パートナーとして「CYBOZU AWARDパーソン・オブ・ザ・イヤー」も受賞。初回無料相談で、御社の業務に合う工程管理の進め方を具体的にお伝えします。

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目次

工程管理とは、QCDを最適化して納期通りに生産・施工を完遂する管理業務

工程管理とは、QCDを最適化して納期通りに生産・施工を完遂する管理業務

工程管理とは、製品の製造や工事の進行において、品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)の3要素を最適化しながら、計画通りに工程を完遂させる管理業務です。

本項では、工程管理の基本を2つの観点から整理します。

  • 工程管理の定義と対象範囲:何をどこまで管理する業務なのか
  • QCDが工程管理の柱:3つの軸がどう結びついているか

工程管理の定義と対象範囲

工程管理は、製品づくりや工事の進行を「工程」という単位に分解し、その全てを管理する業務です。具体的には、各工程の作業手順・使用機械・人員配置・所要時間・進捗状況・品質基準などが管理対象になります。工程とは「製品の製造過程における作業を分類化・体系化したもの」です。

工程管理は、開始時期と終了時期から逆算して各工程の実行計画を立て、それを運用する業務全体を指します。生産部門だけでなく、営業・開発・設計など複数部門の作業が関係するため、部門横断での情報共有が成果を左右します。

製造業では設計・調達・試作・量産の流れ、建設業では許可手続き・施工・内装据付・検査の流れがそれぞれ工程です。業種ごとに具体的な工程は異なりますが、「計画→実行→評価→改善」のサイクルで管理する考え方は共通しています。

QCD(品質・コスト・納期)が工程管理の柱となる

工程管理の柱となるのが、品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)の3要素、いわゆるQCDです。3つの要素はそれぞれ独立しているのではなく、相互に影響し合います。

要素 内容 工程管理との関係
Q(品質) 設計図書や仕様書通りの品質基準を満たすこと 各工程の作業品質を統制することで実現
C(コスト) 人件費・材料費を予算内に収めること 工程の遅延は人件費増・残業代増に直結
D(納期) 契約期日までに完了させること 工程遅延を早期発見し、リカバリー対応

工期が延長すると人件費や仮設費が追加で発生し、原価管理に直接影響します。Q・C・Dは三角形の関係にあり、どれか1つだけを優先すると残りの2つが崩れます。工程管理の本質は、3要素を同時に最適化する点です。

3つを同時に成立させるには、現場の状況をリアルタイムで把握できる仕組みが欠かせません。紙やExcelでは情報の更新が遅れ、QCDのバランスを崩した時点で気づくことが多いため、見える化の仕組み構築が要となります。

工程管理の基本手順はPDCAサイクルで回す

工程管理の基本手順はPDCAサイクルで回す

工程管理は、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のPDCAサイクルを継続して回すことで成果が積み上がります。一度作って終わりではなく、回し続ける前提で設計することが重要です。

ここから取り上げる4ステップは次の通りです。

  • Plan(計画)の立て方:4Mを起点に工程を設計する
  • Do(実行)と現場での運用:見える化と現場負担の軽減
  • Check(評価)と指標の設定:何をもって「進んだ」とするか
  • Action(改善)で次のPDCAに繋げる:改善データを蓄積する

Plan(計画)の立て方

Planでは、生産計画・工程計画・人員計画を立てます。生産計画とは「いつ・何を・どれだけ生産するか」を決める計画です。

工程計画では4M(Man:人、Machine:設備、Material:材料、Method:方法)を確認し、各工程の所要時間・順序・依存関係を整理します。建設業では工事の許認可取得時期や、雨季・台風シーズンを考慮した工期設計も必要です。

計画段階で見落とすと後で取り返しがつかないポイントは次の通りです。

  • ボトルネック工程(負荷集中で遅延しやすい工程)の特定
  • 依存関係(前工程が終わらないと開始できない後工程)の整理
  • 余裕日数(バッファ)の確保

無理のある計画は、現場で必ずひずみとなって表面化します。Planの段階で関係者全員のレビューを通すことが、後工程のトラブル予防につながります。

Do(実行)と現場での運用

Doでは、立案した計画に基づいて生産や工事を実行します。実行段階で重要なのは、計画と現状の差異をリアルタイムで把握できる状態を保つことです。

現場で工程表が機能しなくなる代表的なパターンは次の通りです。

  • 紙の工程表を週次会議でしか更新できず、現場の最新状況が反映されない
  • Excelファイルが複数バージョンで分裂し、どれが最新版か分からなくなる
  • 工程変更の連絡が口頭・電話・LINEに分散し、後から経緯を追えなくなる

クラウド型の工程管理アプリを使うと、現場のスマートフォンから直接ステータスを更新でき、本社側もリアルタイムで進捗を把握できます。情報の更新負担を軽くする工夫が、Do段階の継続性を支える土台となります。

Check(評価)と指標の設定

Checkでは、計画と実績の差異を評価します。ここで重要なのは、評価のための指標を計画段階で決めておくことです。

工程管理でよく使われる指標は次の通りです。

  • 計画進捗率:計画に対する達成度(%)
  • 納期遵守率:納期通りに完了した工程の割合
  • 工程内不良率:各工程で発生した不良の発生率
  • 稼働率:設備や人員の実稼働時間/計画稼働時間
  • リードタイム:着手から完了までの所要時間

ガントチャートで工程全体を可視化することと、関係者が意見を出し合えるデザインレビュー(DR)などの環境整備が、Check段階で効果を発揮します。指標は1〜3個に絞り、定例会議で必ず確認する運用が現実的です。

Action(改善)で次のPDCAに繋げる

Actionでは、Checkで見つかった差異の原因を分析し、改善策を次のPlanに反映します。改善策は「対症療法」ではなく、再発防止につながる「根本原因への対処」が重要です。

改善のアプローチは大きく2つに分かれます。

  • 作業の標準化:特定の人だけが分かる手順を、誰でも分かるマニュアルに落とす
  • 仕組みの自動化:人手で繰り返している作業を、システム化やノーコードツールで自動化する

改善活動はデータが蓄積されるほど精度が上がります。「どの工程でどの程度遅延が発生したか」のログをデータとして残せる仕組みを整えることが、PDCAの精度を年単位で高めていく土台となります。

「PDCAを回す前提の工程管理アプリ」を作りたい方へ。kintoneは、現場で改修しながら育てていくことを前提に設計された業務改善ツールです。ペパコミ株式会社は、kintone構築から運用支援、改修内製化まで一気通貫でサポート。建設業・製造業・自治体で300社以上の支援実績があります。

工程管理で使う代表的な3つの手法

工程管理で使う代表的な3つの手法

工程管理を実践する際は、状況を可視化するための図表(チャート)を使います。代表的な3つの手法を、それぞれの特徴と使いどころで整理します。

本項で取り上げる3つの手法は次の通りです。

  • ガントチャート:全体スケジュールを直感的に把握する
  • ネットワーク図/PERT図:作業の依存関係とクリティカルパスを把握する
  • 流動数曲線:量産品の進捗と在庫滞留を把握する

ガントチャート(全体スケジュール把握)

ガントチャートは、縦軸に作業項目・横軸に日時をとった棒グラフ状の表です。各タスクの開始日と終了日を棒で表し、プロジェクト全体のスケジュールと各タスクの進捗状況を一目で把握可能です。

ガントチャートの強みは「いつ始まり、いつ終わるか」が視覚的にすぐに分かる点にあります。一方で、タスク同士の依存関係(Aが終わらないとBが始まらない)は表現しにくいため、複雑なプロジェクトでは別の手法と併用します。

ガントチャートを作る前段として、WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)でプロジェクトを構成するすべてのタスクを洗い出さなければなりません。WBSとガントチャートはセットで使う考え方として理解しておくと、漏れのない工程設計につながります。

ネットワーク図/PERT図(依存関係とクリティカルパス)

ネットワーク図(PERT図)は、作業の順序関係を矢印と丸印でつないだ図です。各工程の前後関係や、プロジェクト完了に必要な最短経路(クリティカルパス)を把握できます。

クリティカルパスとは、プロジェクト全体の所要時間を決定する一連の工程のことです。クリティカルパス上の工程が1日遅れると、プロジェクト全体が1日遅れます。逆に、それ以外の工程は多少遅れても全体に影響しません。

ネットワーク図は、複雑な工程が絡み合う大規模プロジェクトや、順序が重要な製造ライン設計で力を発揮します。建設業や大型設備の据付工事のように、依存関係が多い現場で特に有効な手法です。

流動数曲線(量産品の進捗・在庫把握)

流動数曲線は、縦軸に累積個数・横軸に時間をとり、計画数と実績数を折れ線グラフで表したものです。グラフの傾きで生産ペースの推移や遅れを把握可能です。

流動数曲線の強みは、進捗の遅れだけでなく在庫の滞留状況も同時に把握できる点にあります。計画線と実績線の差が在庫量を示し、量産品の管理でよく用いられます。

3つの手法は排他関係ではなく、目的に応じた使い分けが重要です。プロジェクト全体の俯瞰にはガントチャート、依存関係の整理にはネットワーク図、量産品の進捗管理には流動数曲線という使い分けが基本となります。

工程管理を成功させるためにkintoneでできること

工程管理を成功させるためにkintoneでできること

kintoneでは、プログラミング不要で工程管理に必要なアプリを作成できます。代表的な工程管理アプリの例は次の通りです。

  • 工程進捗管理アプリ:製品ごとの工程進捗を一覧で管理し、滞留している工程を把握
  • 製造業作業工数管理アプリ:作業者・製品別の工数を集計しグラフ化
  • 図面管理アプリ:図面の変更履歴・配布状況を一元管理
  • 工場日報アプリ:スマートフォンから日報を入力・集計
  • 不具合報告アプリ:工程内不良の発生状況を自動集計

kintoneにはアプリストアからインストールできるサンプルアプリが豊富にあり、「製造業作業工数管理」「SE工数管理日報」「図面管理」などをベースにカスタマイズして使えるとされています。

ガントチャート表示が必要な場合は、外部プラグイン(カレンダーPlus、krewSheet等)を使うことで、kintoneのデータをガントチャート形式で表示できます。Excelに近い感覚で工程表を運用しながら、クラウドの強み(同時編集・スマホ対応・データ蓄積)を得られる点がkintoneの特徴です。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

工程管理に関して、よくある質問にお答えします。

Q1:工程管理とは何ですか?

工程管理とは、製品の製造や工事の進行において品質・コスト・納期(QCD)を最適化し、計画通りに完遂させる管理業務です。製造業・建設業・自治体など幅広い業種で実施されます。日本では300社以上の中小企業がkintoneのようなノーコードツールを活用して工程管理のデジタル化を進めています。

Q2:工程管理の手順はどう進めればよいですか?

Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のPDCAサイクルで進めます。Planでは4M(人・設備・材料・方法)を確認し工程計画を立て、Doで実行、Checkで計画進捗率や納期遵守率などの指標で評価、Actionで改善策を次のPlanに反映します。一度作って終わりではなく、繰り返し回す前提で設計することが要となります。

Q3:工程管理に使われる代表的な手法は何ですか?

代表的な手法は、下記の3つです。

  • ガントチャート(縦軸タスク・横軸日時の棒グラフで全体スケジュールを把握)
  • ネットワーク図(PERT図、作業の依存関係とクリティカルパスを把握)
  • 流動数曲線(量産品の累積進捗と在庫滞留を把握)

それぞれ目的に応じて使い分けます。

Q4:工程管理をExcelで運用するデメリットは何ですか?

工程管理をExcelで運用するデメリットは、主に以下の3つです。

  • 容量肥大化によるファイル破損リスク
  • 複数人での同時編集ができず、最新版が分からなくなる
  • 複雑なマクロを組んだ担当者への属人化リスク

クラウド型ツールであれば、複数人での同時編集・スマートフォン対応・データの自動蓄積が標準で実現できます。

まとめ|工程管理は「仕組み × 運用 × 改善」の継続で成果が出る

まとめ|工程管理は「仕組み × 運用 × 改善」の継続で成果が出る

工程管理とは、品質・コスト・納期(QCD)を最適化し、計画通りに生産や施工を完遂する管理業務です。本記事で解説した要点を整理します。

  • 工程管理はQCDを柱とし、生産管理の一部、進捗管理を含む業務
  • 製造業・建設業の現場では、人手不足・DX遅れ・プロジェクト複雑化を背景に重要度が増している
  • PDCAサイクルを回し続けることが成果の鍵となる
  • ガントチャート・ネットワーク図・流動数曲線を目的別に使い分ける
  • Excel・紙運用の限界を超えるには、kintoneのようなクラウド型ノーコードツールが現実的な選択肢

特に中小企業では、最初から完璧な工程管理システムを目指すのではなく、現場の課題から逆算してスモールスタートで取り組む進め方が成功率を高めます。改修を前提に育てていく考え方が、長期的な定着につながります。

工程管理の見直しをお考えの方は、ぜひペパコミ株式会社にご相談ください。ペパコミ株式会社は、サイボウズ公式パートナーとして「CYBOZU AWARDパーソン・オブ・ザ・イヤー」「CyPN Report 2部門 4年連続2つ星」を受賞しました。300社以上のkintone導入実績をもとに、御社の業務に合った工程管理の進め方をご提案します。初回無料相談では、抽象的な提案ではなく御社の業務をヒアリングした上での具体的なkintone構築イメージをお見せします。必要に応じてその場でデモも可能です。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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