kintone構築のペパコミ株式会社 竹谷です。
IT補助金の募集が開始となりました。
ペパコミ株式会社は今年もIT補助金の登録事業者となったため、
「IT補助金を活用したい」というお問合せが増えています。
私はお問合せ対応はしないので、聞いているだけですが、
kintoneを使ったIT補助金の活用は簡単ではないと思っています。
簡単ではないと思う理由を書いていきます。
柔軟性のあるシステムだけでは対象にならない
日本で法人登録している企業の9割は「中小企業」です。
「中小企業」の定義
・製造業その他・・・資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
・卸売業・・・資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
・小売業・・・資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
・サービス業・・・資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
資本金が5千万円ってなかなか大きな企業ですが、
ペパコミ株式会社がお問合せをいただく企業様は
そんなに大きな企業様はほとんどありません。
社内のIT化をしたい理由として
・場所を選ばずに使用したい
・情報を共有したい
・データの一元化をしたい
という声をよく聞きます。
これは、ある特定の業務をシステム化するのではなく
社内のデータプラットフォームを整えることが実現できます。
しかし、プラットフォームになりえるシステムは
様々な業務に対応できるため、IT補助金の申請要件で指定されている
「プロセス」には該当しません。
(補助金の説明)https://pepacomi.com/archives/3908
特定の業務をシステム化するにも、1つしかないと補助率は1/2となります。
「kintoneで顧客管理が行えるのに、わざわざ別のCRMシステムを導入する必要性はない」
というような考えでは、IT補助金の対象になりづらくなってしまいます。
連携型ソフトウェアの「連携」の定義があいまい
補助率が2/3となる「C類型」で申請するためには
「連携型ソフトウェア」を利用する必要があります。
システム登録時に「どのように連携するのか」を記載する必要はあるのですが、
この「連携」がどこまで補助対象になるのか、明確な基準は定まっていないようです。
「人の手を介さずシームレスに連携できるもの」ということらしいのですが、
「①のシステムで、内容を確認しながらクリックして②のシステムに情報を流す」
という作業の「内容を確認してクリック」は「人の手を介しているのか?」
と質問したところ、明確な回答は得られなかったようです。
この辺りは実際に申請してみて、審査部の判断だそうです。
CSVで吐き出して、取り込むという作業は「連携」にならなそうなので、
連携を前提に設計されていないシステムを選択すると
開発費用をかけて連携させないといけないのかな?
と思ってしまいました。
IT補助金にこだわる?
IT補助金ではありませんが、昨年コロナ関連の補助金で不正受給が多くあったようです。
確かに、補助金を活用できるなら、と思います。
でも、クラウドシステムは基本的に「利用料」がかかります。
そして社内の業務フローはコロコロ変えることはできません。
もちろん「導入設計をしたら補助金に該当する内容だった」
ということなら、ぜひとも補助金を活用すべきです。
でも「補助金に該当するためにどうすれば良いのか」
と考えて導入設計をすると、本来の業務効率化とずれてしまう可能性があります。
まずは自社の問題点を明確にし、システム化するリスクも踏まえ
導入の設計と計画を構築してから、その内容が補助金に該当するかを確認する。
という順番を間違えないようにした方が良いと思っています。
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