kintone構築のペパコミ株式会社 竹谷です。
動物の繁殖をしている会社さんから、管理の要望がありました。
すでにkintoneは導入されていて、従業員が30名くらいの会社さんです。
全社員がkintoneIDを持っているため、日常の報告業務などkintoneで行っています。
新しく部門スペースを作成し、繁殖の管理を行うことになりました。
作成したアプリをご紹介します。
使用アプリは7個+1個
最初に担当者の方に現在管理しているメモを見せてもらいました。
【管理している事柄】
・個体の管理(出生・血統・出産場所など)
・ワクチン接種の記録
・販売記録
・繁殖場の管理
販売されていくまでの管理なので、現在の状況をメモ書き管理をし、
過去の記録は意識していませんでした。
kintoneで管理すると、販売されていった過去の記録も自動的に残るので、
データが取れるメリットもあります。
上記の管理内容を聞いた上で構成に使用したアプリは7個
【管理アプリ】
・個体管理表
【マスタアプリ】
・社員マスタ(既存のアプリを使用)
・取引先マスタ(既存のアプリを使用)
・ワクチンリスト(使用するワクチンをリスト化)
・繁殖場マスタ(複数ある繁殖場をリスト化)
【業務アプリ】
・健康管理・治療記録(日々の個体に対する日報・病気時の対応など)
・繁殖場維持管理(繁殖場の清掃など、外注に依頼することもあり)
【補足アプリ】
・ワクチン集団接種用(一日に数十匹をまとめて摂取する際に使用)
軸となるのは「個体管理」アプリ
例えば、現在50匹の個体が所属している、という場合に
「個体管理アプリ」を開くと、一覧画面に個体のリストが並んでいる。
一覧の変更で品種別や繁殖場別のリストを確認することができます。
個体のレコードを開くと、出生や血統情報が確認できて、
健康やワクチンの記録は「健康管理・治療記録」アプリを
関連表示されることで、一覧のように見ることができます。
そして、いつ、どこへ販売されていったまでの流れがわかります。
最初にきいた現在管理しているメモ書きを見せてもらったときに
この「個体管理」ができれば、すべて解決できると思ったので、軸として作成しました。
kintone管理への手順
管理をkintoneにするとなったときに、マスタの作成に入力が必要です。
そのため、最初は今まで紙管理していたものを、データ化するのに少し労力がかかります。
今回の場合は、担当者が一人なので、大変ではありますが、
紙管理データが分散していないことは逆にメリットです。
ワクチンのリスト化は、使用時の必要量、仕入先などをまとめ、
繁殖場は住所や連絡先、社内担当者などをまとめます。
Excelでリストを作成し、kintoneへ取り込む方が簡単です。
マスタに情報が入ったら、次は個体管理に情報を入力します。
過去のデータもいれると良いですが、それは時間のあるときに行うとして、
まずは、現在管理している個体をすべて入力します。
個体の担当者、繁殖場などはルックアップを使用するため、
手順として先にマスタを作成しておく必要があるんですね。
個体一覧ができたら、次にワクチン接種記録を入力しておくと良いかもしれないです。
これは「健康管理・治療記録」に個体番号をルックアップして入力します。
日々の業務使用は2つのアプリ
ここまでで準備はOKです。
日々の業務で使用するのは「健康管理・治療記録」「繁殖場維持管理」の2つです。
個体に対して行ったことは「健康管理・治療記録」に個体番号をルックアップして
様子を記録したり、治療を行ったときにはワクチン種類をルックアップで記録します。
繁殖場を維持するための清掃などの記録は「繁殖場維持管理」で行い、
外注先はルックアップで取引先マスタから選択します。
この情報は、後に経理の請求管理をする際に紐づけておくことで経理側に確認が楽になります。
今はまだ紐づけていませんが、今後情報の入力が安定化したタイミングで
紐づけ作業を行い、社内全体の業務としても効率化します。
アプリを構成する際に、このように今後の発展もイメージして作成しておくと
「小さく作って、大きく育てる」と言われているkintoneの良さを最大限に引き出すことができます。
補助アプリの「ワクチン集団接種」はATTAZoo利用
私はATTAZooを結構使うのですが、「データ転送プラグイン」がありまして、
ワクチン集団接種を行う際に、いちいち一つのレコードに個体を選択して入力するのは
結構手間がかかります。
そのため、一つのレコードに「ワクチン名だけ入れてテーブルに個体をサクサク選ぶだけ」
という仕様にする方が、入力する側は楽だと思いました。
しかし、このように入力をすると、個体管理のレコードを開いたときに
ワクチン履歴を表示することができません。
そこでATTAZooの「データ転送プラグイン」を使います。
テーブルに入れたデータを、それぞれのレコードに分解してくれるので、
「ワクチン集団接種」→「健康管理・治療記録」へばらして登録します。
このようにすることで、ワクチン集団接種はテーブルで入力し、
個体管理ではワクチンの記録を関連レコードで表示することが可能となります。
今回はこのような形で繁殖管理アプリを作成しました。
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